【VRと呪いの融合~現代版貞子~】映画『忌怪島/きかいじま』疑問点と考察

 

2023年6月16日に公開された映画『忌怪島/きかいじまを視聴したので、疑問点と考察をまとめていきます。

忌怪島/きかいじま

 

監督は呪怨』シリーズや『犬鳴村』を手掛けた清水崇さん、主演はなにわ男子の西畑大吾さんと期待できる製作・役者陣です。

物語後半に明かされる、目を背けたくなるほどのおぞましい展開が高く評価され、第19回ポルト・アレグレ国際ファンタスティック映画祭の最優秀悪役賞も受賞しています。

映画の脚本を基にした書き下ろし小説も刊行されるほどの人気なので、気になる方は是非読んでみてください。

 

 

※本記事は作品の結末に関わる重大なネタバレを含むため、視聴後の閲覧を強くオススメします。

作品紹介(公式HPより)

ストーリー

未だシャーマンが棲む島

その島でVR研究をおこなう片岡友彦とチーム「シンセカイ」

突然のシステムエラー、突如出現する赤いバグ

シャーマンは語る、「それは”イマジョ”じゃ…」

交わり始める異世界と現実世界

瞬く間に島を覆う怪奇と死ー。

”イマジョ”との関係は?

彼らは謎を解き明かし、生きて島を脱出することができるのか…!

*1

監督

清水 崇

出演

西畑 大吾(なにわ男子)/平岡 祐太/水石 亜飛夢/川添 野愛/大場 泰正/祷 キララ/吉田 妙子/大谷 凛香/笹野 高史/當間 あみ/なだぎ 武/伊藤 歩/山本 美月 ほか

 

疑問点・考察

バスを降りる鎖の音

役場からの帰り道、誰もいない停留所へ鎖を引く足音がバスを降りていくが運転手は意にも介さない。この島に蔓延るイマジョは日常にまで溶け込んでいるのか。その直後にバスが故障して友彦と環がトキの家に行くことになったのは偶然なのだろうか。

誰ともすれ違わない

トキの家から帰る道すがら、友彦と環は誰ともすれ違わなかった。まるで仮想空間のような世界は、2人が現実世界に帰ってこれなくなった後の世界を暗示しているようである。

落ちてくる鶴

山本が鳥居でタバコを吸っている際に落ちてきた鶴はどこから来たのか。また、シゲルが撒いた鶴が、友彦のいる研究室内に落ちてきていることから、鶴は物理的なものではなくイマジョがやってくる気配のようなものを表しているのだろうか。

逃げ出すヤドカリ

シゲルの家でパックから逃げ出すヤドカリ。あの世から現世へと逃げ出したイマジョか。あるいは、人間と関わらない世界を目指していた友彦が事件を通じて人間の情に触れて狭い世界から解き離れつつあるというメタファーか。

シゲルの母親

ある日から見かけなくなったとされるシゲルの母親。ということは隠し部屋にいたのは彼女か。死後すらも島民に蔑まれ、辱められる恐れがあるほどの状況であったことの表れか。それとも母親を楽にしてあげるために手をかけたのは、シゲル自身なのか。

エンディング

誰も乗っていない船、友彦と環の手首に現れる番号は、2人がまだ仮想空間にいることを示している。友彦の手を引いて助けたはずなのになぜ?仮想空間には忌怪島しかコピーされていないため、永遠に本土に帰り着くことはできない。

船には鎖の音が鳴り響き、リンの目の前には切り倒したはずの鳥居が聳え立つ。イマジョの呪いは断ち切ることができぬほど大きなものなのかもしれない。

海へと沈んでいったリンはイマジョ憑きとなってしまったのか、シゲルを追い詰めた島の歴史に絶望したのか。

 

描かれていないその後のことを考えると、背筋が凍るような結末でした。

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