【バレたら終わり】【小さな異変は島中へ波及する】映画『ノイズ』疑問点と考察

 

2022年1月28日に公開された映画『ノイズを視聴したので、疑問点と考察をまとめていきます。

ノイズ

筒井哲也さんの漫画『ノイズ【noise】』を原作とした実写映画で、監督は廣木隆一さん、主演は藤原竜也さんと松山ケンイチさんです。原作は2020年までヤングジャンプで連載されていましたが、全3巻で完結しているので、ぜひ読んでみてください。映画

※本記事は作品の結末に関わる重大なネタバレを含むため、視聴後の閲覧を強くオススメします。

作品紹介

ストーリー(公式HPより)

絶海の孤島に突如現れた不気味な男。誰も名を知らないその男に家族を狙われた泉圭太(藤原竜也)は、親友の田辺純(松山ケンイチ)、新米警察官の守屋真一郎(神木隆之介)と共に、誤ってその男を殺してしまう。それは、圭太が生産した”黒イチジク”が人気となり、国からの交付金5億円が内定、過疎に苦しむ島に明るい未来が見えた矢先のことだった--。

島の未来と大切な家族を守るため、3人は死体を隠蔽することを決意する。「この男が消えたところで、だれも追ってこない」そう思っていた矢先、予想外の事態に発展する。なんと、その男は出所したばかりの凶悪犯渡辺大知)で、足取りを追う刑事(永瀬正敏)らが島に大挙して押し寄せてきたのだ!24時間体制で執拗な捜査を繰り返す県警。その包囲網が圭太たちを追い詰める…<島の生活を守る為に死体を隠す者>と<正義の為に島の生活を踏みにじる者>との攻防が島民たちにも広がっていき、島の日常は崩れ落ち、少しずつ狂っていく差出人不明の不気味なメール、次々と増えていく死体、壊れていく絆…誰が味方で敵なのかもわからない極限状態の中で、”ある人物”がとんでもない罠を仕掛けていた…*1

監督

廣木隆一

出演

藤原 竜也/松山 ケンイチ/神木 隆之介/黒木 華/伊藤 歩/渡辺 大知/酒向 芳/追田 孝也/鶴田 真由/波岡 一喜/菜葉菜/寺島 進/余 貴美子/柄本 明/永瀬 正敏 ほか

 

疑問点・考察

小御坂は恵里奈に何をした?

恵里奈を連れ去り、奪った自転車の上で卑猥な動画を見ていた小御坂。状況や彼の前科を考えると暴行をはたらいたと考えられるが、恵里奈は元気そうな様子で別の場所で見つかっている。

町長と庄吉

突然倉庫に現れた町長に続いて、庄吉が飛び込んでくるのがB級ホラーのような展開を思わせる。庄吉は圭太に島を守れと言い残していることから、町長の暴走を止めようとしたのだと考えられるが、町長は庄吉のタレコミを聞いて倉庫に来たのではないのか?それにしても揉み合いの様子がコミカルすぎる…

ノイズ

この島にとって異物である小御坂はノイズであると言える。しかし、県警もまたノイズであると言えそうだ。畠山が何度も苛立ちを見せた島の団結感だが、それを乱すものとして、県警は非常に象徴的だった。本当に検視しましたかと初対面の医師に懐疑的な姿勢を見せる、純の倉庫内に何度も勝手に立ち入る、島民に文句を言われても無視して帰る、島民の携帯電話を奪い取り叩き割るなど傍若無人な行動が散見された。島ではマイノリティとして悪役のような立ち回りになっていたが、加奈が懸念を示していたような閉鎖的な島の異常な団結感が浮き彫りになるような構図だった。

真一郎の決断

岡崎に教わった警察官の正義を全うにするために、自分が罪を被って自殺することでかさぶたとなることを決めた真一郎。この決断もまた、島のために自分を犠牲にする島民性の表れだろう。一方で友達を守るため、嘘をつき続ける辛さから自分を守るためという見方もできる。真一郎は真面目過ぎた。

イチジクの下に埋めよう

純の提案。圭太の土地から死体が見つかるというのは、圭太が犯人である証拠として非常に有力である。最もらしい理由を並べていたが、これ以上の理由があるだろうか。

恵里奈の絵日記

「朝起きたら、ひまわりが咲いていたので、みんなで遊園地に遊びに行きました。とっても暑かったので、アイスクリームを食べました。とっても美味しかったです。」という内容。アイスクリームを食べた以降の絵は描かれていないが、遊園地には純と4人で行っているようである。

そもそも、猪狩島には遊園地など存在しないのではないだろうか。この島に恩返しするために執着する圭太だったが、恵里奈は外の世界で遊園地に行って遊びたかったのではないか。加奈の感じていた島への不気味さは恵里奈も感じていたのかもしれない。

恵里奈は小御坂に襲われる前も庭で1人きりで遊んでいた。作中に同年代の子どもは登場しない。2人を島に縛り付け、人を殺してまで圭太が守りたかったものはなんだったのか。恵里奈の日記を見て涙が出てしまったのも無理はない。きっと圭太は純の裏切りに気づいた上で彼を信じてほしいと言ったのだろう。

最期の銃声

純は森でライフルを構え何かを撃ち抜く。その音は聞こえるはずのない、圭太のいる刑務所まで聞こえる。純にとっての害獣は、愛する加奈を縛り付ける圭太だったのかもしれない。

 

娘を、友達を、そして島を守るためにそれぞれができることをした結果、こんなにも悲しいことになってしまうのは胸が苦しいですね。最近見たサスペンスの中では断トツで面白かったです。ぜひご覧ください。

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